阿南工業高等専門学校
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本校教員らの研究成果がドイツ化学会誌に掲載

2017年 4月 10日
 ドイツ化学会誌であるアンゲヴァンテ・ケミー(Angewandte Chemie)(※)の英語 版及びドイツ語版のEarly Viewに,本校化学コース大谷卓講師が早稲田大学先進理工 学部の柴田高範教授らと共に開発した「市販品からわずか2工程での7環式らせん型 分子”ヘリセン”の高収率合成法」の詳細が掲載されました。
 ヘリセンとは,ベンゼン環のような芳香環が辺結合を共有しながら,らせん状につな がった(縮環した)化合物です。ベンゼン環は平面構造ですが,ヘリセンのように多く の環がつながると,その立体障害を避けるため,らせん構造をとり得るようになり,右 巻きと左巻きの「鏡像異性体」を生じます。7環式以上のヘリセンの合成には多工程を 要してきました。本研究では大谷講師らが開発した反応を利用することで,市販品から わずか2工程での合成に成功しました。
 また,ヘリセンは一般的に蛍光特性が低いことが問題でしたが,本研究で得られた ヘリセンは非常に高い量子収率で蛍光を発し,さらに優れた円偏光発光特性を示すこと も明らかにしました。そのため,本ヘリセンは今後,高輝度液晶ディスプレイ用の偏光 光源,有機3Dディスプレイ,セキュリティー用のペイント剤などへの応用も期待され ます。
本研究はJSPS科研費 JP16K05710の助成を受けております。

詳細は以下のサイトをご覧ください。(英語版です)

http://doi.org/10.1002/anie.201700507

英語版:Angewandte Chemie, International Edition, 2017, 56巻14号3906 –3910頁.
ドイツ語版:Angewandte Chemie, 2017, 129巻14号3964 –3968頁.

※アンゲヴァンテ・ケミーとは,アメリカ化学会誌(JACS誌)と並ぶ化学分野における世界 最高峰の学術雑誌であり,そのインパクトファクター(IF)は11.7 (2015)です。
IFは平均的な被引用回数を示す指標であり,一般的にIFが高い雑誌は影響力が大きい と言われます。


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